共感する言葉
久しぶりの更新です。
もう12月ですね。早いものです。

だいぶ前に大学時代の先輩が紹介してくれた美術家 佐藤忠良さんによって書かれた文章のコピーをスケッチブックにはさめてあって、昨日は何度もそれを読んでいました。

"わたしたちは美術を静止的なものとしてとらえていない。変化してやまないものとして見ている、と言っていい。また当然のことだが、その変化しつづける美術の制作にあたっている人間もまた、変貌しつづけている、と考えている。 美術や人間の変化というと、時代が移り変わったり、年齢を重ねたりすると自然に変わっていくように感じられるかもしれないが、わたしたちは、そうは考えていない。自然に変わるどころか、自覚的に人生を歩んでいる人は、自分を作り変える努力を重ねて生きていっている、と観ている。 なぜこうした努力を重ねるかというと、自由な人間になるためである。 自由な人間というのは、偏見や権威に惑わされず、真理や美に対して直面し、勇気をもってそれを吸収できる知性や感性をそなえた人間である。生まれたままの自然児が自由な人間なのではなく、ほんとうの知性や感性を努力の末に獲得した人間が自由なのである。自分がどう人に映るか、どんなふうに思われるか、ということが生き方の根本にあるようでは、人の心を動かすものはつくれない。 どう映ろうと、どう思われようとそれが自分なのだ、という気持ちが必要である。
なぜならば、他人の目にどう映るかに気をとらわれているうちは、自分自身に対して、自分が自然でなくなっているからだ。 感性は、放っておけば鈍ってしまう。学問と同じように、努力して獲得するものだ。獲得の方法を吟味して、努力を積まなければならない。 ものを知るだけでなく、いろいろなことを感じるために、仮面をかぶった人生から自分を解き放つために、人間は努力して自分を変えなけらばならない。 "

1982発行 現代美術社 佐藤忠良
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by takomiso | 2009-12-04 03:16 | etc
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